でぶててのWEB録

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【検証1】iOS9の広告ブロック機能は、運用系広告の脅威となるのか?【150921更新】

iOS9の広告ブロック機能がリリースされたので、実際にどこまで影響が出るのか?調べた。
広告現場としては、今までのPC向けやAndroidの広告ブロック、iPhoneの広告ブロック機能付のブラウザとは異なる次元と考えてる。

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※2015年9月20日時点の情報です。アプリ・iOSの仕様が変われば、内容も変わるのでご注意ください。
※1Blockerは実験時に動作が正しくしていなかっただけで、ブロックされると共有されましたので、再実験予定です
※2015年9月20・1Blockerの検証を修正
※2015年9月21・Peaceが削除された模様


結論を先に書く。

  • 広告がブロックされていても、広告表示回数はカウントされる っぽい(AdWords検索)
  • ブロックのされ方が、アプリごとに違う
  • インストールの手間・有料アプリという二点で、今時点では、広告表示に影響は少ない
  • 今後、拡散が広まりアプリのインストール数が増えていくようであれば、対処は必要

<目次>

  1. コンテンツブロッカーアプリ例
  2. 広告がブロックされるかどうか試してみた
    1. 試した広告の種類
    2. 検証サイト(GDN/YDN)
    3. 本当にブロックされるかどうか試した結果
  3. 広告の表示回数への影響
  4. 本当に使われるのか?脅威なのか?

コンテンツブロッカーアプリ例

コンテンツブロック(広告ブロック)を実装できるアプリを一通り落とした。
すべてインストール時の設定のまま使う。


広告がブロックされるかどうか、試したみた

検索屋なので、検索系の広告がメイン。検証サイトは広告表示回数が多い媒体を選んだ。

検証サイト(GDN/YDN)

有名ドコ?を選んでみた。(調査したサイトすべてを載せるとえらいことになるので割愛)

  • mery.jp(GDN・サイト内)
  • 食べログ(GDN・サイト内)
  • アメブロ(GDN・スクロール追従型)
  • NAVERまとめ(YDN・スクロール追従型)
  • クックパッド(YDN・スクロール追従型)
  • Yahoo!知恵袋(YDN・サイト内)
  • Yahoo!天気(YDN・サイト内)

試した広告の種類

純広系は試していない。あしからず。

  1. Google AdWords(検索)
  2. Google AdWords(商品リスト広告)
  3. Google AdWords(GDN)
  4. Yahoo!プロモーション広告(検索)
  5. Yahoo!プロモーション広告(YDN)
  6. Yahoo!プロモーション広告(YDNのうち、インフィード)

本当にブロックされるかどうか、試した結果

表示されたら●、表示されなかったら×、どちらでもないものが△。
1Bockerは詐欺アプリ?150920検証済。

アプリ
1Blocker × △※2
Blockr × × △※1
Crystal × × △※1
Peace × △※2
Purify × × △※3

※1 Yahoo!天気内の320x50のバナーは表示、360x250はバナーは非表示。テキストは表示。
※2 Yahoo!天気内のバナーは非表示。テキストは表示。naverまとめのバナーは消えたが、クックパッドは消えない。
※3 サイト内テキスト以外は非表示。naverはサイトが表示されない。

アプリ×サイトの組み合わせ次第で、表示される/されないケースもあるため、一概にすべて正しいとは言えない。
調査母数は少ないが、少なくともGoogle/GDNのadsenseが主な対象であることは、間違いなさそうである。


広告の表示回数への影響

検索ボリュームのないバズワードで、広告ブロック機能をオンにしてGoogleAdWordsで検索したところ、
「表示はされないが、広告表示回数はカウントされていた」

勘弁してくれええええ!
GDNは検証が難しいため割愛。appleのコンテンツブロックについての説明動画を見る限り、GDNも同様に表示されない思うが・・・


本当に使われるのか?脅威なのか?

iOS9のコンテンツブロック(広告ブロック)を有効にするメリットは、広告が嫌いであるユーザーが広告を非表示にできるだけでなく、サイトの読込速度を上げることができる点だろう。しかし、「アプリをダウンロードして、設定をしなければならない」ハードルがあり、疑問点として、「有料アプリを購入してまで、広告を非表示にするのか?」がある。設定の面倒さは、広告を非表示にしたい!読込速度を上げたい!モチベーションが高ければ、超えられるかもしれない。一方で、課金については、どうだろうか?

Boom Appを運営するシーサー株式会社の調査(N=300,2013年,ユーザー選定方法は不明)によると、アプリ内課金のうち広告非表示に課金したユーザーは5.4%(16人)。アプリ内課金とコンテンツブロックとは同一心理環境とは言い難いが、「広告を非表示にする」という点のみで同調査を信じるならば、大きく影響するとは考えにくいのではないか?

騒ぎ過ぎ感は否めないが、広告ブロックができる情報が拡散すると爆発的な広がりを見せる可能性はある。注視していくほかなさそうだ、というのが現時点の結論ではあるが、広告代理店は現状と今後についてわかる情報を共有しておいたほうが無難だろう。

個人的には、App Transport Security(ATS)のほうが問題ではないか?と思っている。


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