記事LPを評価するための、GoogleアナリティクスとGTMの設定(その2・外部リンククリックの再定義と取得)
今回は、「リンクをクリックしたとき」というイベントが起こされた数を取得(トラッキング)するという基本的なイベントトラッキングの設定方法と、影響範囲を加味し応用していく思考フローの説明になります。
前の記事はこちら ⇒ http://tetesuke.hatenadiary.jp/entry/googleanalytics_googletagmanager_kijilp
※イベントトラッキングとは?
イベントトラッキングとは、Googleアナリティクスの機能の一つで、例えばマウスやキーボードのアクション、ブラウザの挙動などをイベントとして計測するオプション機能。設定しないと使えない。
詳細な説明は、下記を参照に。
<目次>
設定要件の整理と再定義
今回の設定要件を整理する。
- 獲得LPをリンク先としたリンクをクリック(タップ)した数を取得する
- 対象記事ページの滞在時間を取得する
- 1は、条件の通りクリックした数をゴールとする
- 2は、特定の時間以降を精読したとしてゴールにする
1・2をGoogleアナリティクスのイベントトラッキングを使って計測を行い、イベントトラッキングの設定はGTMで行う。
ただ、
「獲得LPをリンク先としたリンクをクリック(タップ)した数を取得し、その数をゴールとして設定する」は、要件を定義しているようでしていないので、イベントトラッキングで設定できるよう再定義する。
このとき考えるべきは、可能性と汎用性。
- 記事型LPが今は1枚しかないが、今後増える可能性がないとは限らない。
- リンク先である獲得LPが記事毎に変わる可能性もある。
- リンクがページ内に一つしかない場合もあるし、複数ある場合もある。
それぞれの可能性をゼロとしない場合の対応策を加味して、
「複数ページある記事型LP内にある、記事型LPのドメインとは異なるドメインにある獲得LPをリンク先とした、単数もしくは複数のリンクをクリック(タップ)した数を取得し、ゴールとして設定する。」
と再定義する。
再定義した要件を具体的に落とし込む
再定義した要件を、イベントハンドリングに設定できるように整理すると、
- 獲得型LPへのリンクをクリックしたユーザーのリファラー(参照元)
- このクリックしたユーザーが見ている記事型LPのURL
- 獲得型LPへのリンクをクリックされた箇所(要素id)とそのクリック数
- リンク先に設定している獲得型LPのURL
となる。
汎用性を維持するため、記事型LPを制作する際のルールを作り、制作会社に下記だけは守るようにお願いした。
- 獲得型LPへのリンク(アンカー)には、要素idを必ず付ける(それ以外の外部リンクには、要素idを付けない。)
- その際は、id=link001 のようにナンバリングする。
- 記事型LP内をスクロールして最後に出現する獲得型LPへのリンク(アンカー)には、id=link001_last のように、ナンバリングのあとに_lastを付ける
それぞれお願いする理由は、
- 要素idをつけることで、GTMで設定しやすくするため。(≒GTMを良くわからない担当でもチェックできるようにする)
- ナンバリングは間違いに気付きやすい。
- link●●● のように linkというユニークな文字列を使うことで、Googleアナリティクスで調べる際にフィルタリングしやすくし、GTMの設定も楽になる。
- 記事毎に獲得型LPへのリンク数が違うと、ページ毎のリンク数を把握できなくなるため。
である。
GTMを設定する
整理した内容をGTMで設定すると、下記のようになる。
※あくまで一例。他の方法もあるし、設定者の創意工夫と遊び心が試される。
手順1)変数を有効にする
左カラムメニュにある 変数 >
今回は、Click ID と Click URL を使うので、最低この2つにはチェックを入れる。
手順2)トリガーを作成する
左カラムメニュにある トリガー > 新規作成をクリックして、上から順に
1.イベントを選択 ⇒ クリック
2.トリガーを設定
2-1.ターゲット ⇒ リンクのみ、
2-2.タグの配信を待つ・検証をチェックそれぞれにチェックを入れて有効に
3.有効化のタイミング
Page URL | 含む | 記事型LPのドメイン(ex. aaaa.com) |
4.配信するタイミング
Click URL | 先頭が一致 | http | *1 |
Click URL | 含まない | 記事型LPのドメイン(ex. aaaa.com) | *2 |
Click ID | 含む | link | *3 |
5.トリガーを保存
▼こんな感じ▼
手順3)タグを設定する
左カラムメニュにある タグ > 新規ボタンをクリックして、上から順に、
1.プロダクトを選択 ⇒ Google Analytics
2.タグの種類を選択 ⇒ ユニバーサルアナリティクス
3.タグを設定
トラッキングID | UA-●●●●●●●●-● | *4 |
トラッキングタイプ | イベント | |
カテゴリ | link_CV | *5 |
アクション | click_{{Click ID}} | *6 |
ラベル | {{Click URL}} | *7 |
値 | 1 | *8 |
非インタラクションヒット | 偽 |
4.配信するタイミング
クリック を選択し、手順2で作ったトリガーを選択
5.タグを保存
▼こんな感じ▼
手順4)プレビューで稼働確認
GTMのプレビューモードを使って設定したタグが動いているかを確認(激しく推奨)
もしくは、
公開まで行って、Googleアナリティクスのリアルタイムビューを使って確認
※プレビューの使い方
Googleアナリティクスのゴール設定
Googleアナリティクス画面のグローバルメニュー > 管理 > 設定したトラッキングIDプロパティ内のいづれかのビュー > 目標
1.新しい目標をクリック
2.目標設定 ⇒ カスタム
3.目標の説明 ⇒ タイプはイベントを選択。名前/スロットは任意。
4.イベント条件
カテゴリ | 等しい | link_CV | |
アクション | 正規表現 | ^click_ | *9 |
ラベル | 正規表現 | aaa\.com | *10 |
※コンバージョンの目標値は、「はい」に。
5.保存をクリック
▼こんな感じ▼
Googleアナリティクスのデータの見方
基本的にはページごとの評価を見るべきなので、ゴールかセグメントで獲得LPに遷移したユーザーをセグメントし、
行動 > イベント > ページ と、ユニークイベント数を見るのが手っ取り早い。
他にも一例に過ぎないがこういったデータも見ることができる。
見たいデータ | ディメンション | セカンダリディメンション |
---|---|---|
リファラー別の要素idのクリック数 | イベントカテゴリ or イベントアクション | 参照元/メディア |
ページ毎の要素idのクリック分布 | イベントアクション | ページ or ページタイトル |
リンク先URLに設定ミスの有無 | イベントラベル | ページ or ページタイトル |
解析/分析から見えるデータは、あくまで現時点のクリエイティブ(記事)の評価。記事が変われば、データも変わる点は注意する必要がある。
とはいえ、
これで獲得LPをリンク先としたリンクのクリック数とそれに関連するデータは取得できるようになる。
滞在時間については、次の記事で説明する。(3週間後ぐらい)